「そこ」に気づいたのはいつからだったか。
知ってはいた。その存在は常にあったし、無意識下では「そこ」にいたのだと思う。
漠然とした色や風の匂いなど、不思議な位に懐かしく思い出せた事に、何等違和感を抱かなかったのだから。
だが、明確に「ある」と気づいたのは……恐らくあの日。
何故、何かがある日は満月なのか。
そういう自然法則でも存在するのか。知っている者がいるなら教えて欲しい位だ。
そう……あの日も……そしてその後も………。
お誂え向きのように満月だったと記憶している。
オデッサ。
グレミオ。
父上。
……テッド。
ソウルイーターが「目覚め」た日。
「僕」が
「私」へ歩み始めた日。
→ 第一夜